プラモでもロケットパンチ! HG 1/144 マジンガーZ INFINITY Ver.を素組みレビュー

HG 1/144 マジンガーZ INFINITY Ver.をレビューする。表面処理なし、合わせ目消しなし、シールなしの素組みによるプラモのレビューだ。

目次

腕の必殺技が多彩! HG 1/144にマジンガーZのINFINITY Ver.が登場

HG マジンガーZ INFINITY Ver

HG 1/144 マジンガーZ INFINITY Ver.は、バンダイスピリッツから2018年08月25日 土曜日に発売。2018年公開のアニメーション映画作品『劇場版マジンガーZ/INFINITY』に登場するマジンガーZをダイナミックキャラクターズのハイグレードモデル第1弾としてプラモ化した。

なお、同じデザインの色違いであるブラックVer.が2019年12月にプレミアムバンダイホビーオンラインにて限定発売されている。

スーパーロボット

マジンガーZは主人公である兜甲児が搭乗するスーパーロボットだ。映画のINFINITY Ver.をプラモ化した本キットは全高約175mmでガンプラのMGサイズ。1972年のシームレスなマジンガーZではなく、メカデザイナー柳瀬敬之氏の監修による複雑なデザインを採用している。

機体の各所にスジ彫りやディテールが追加され、腕や足が太くなった一方で胴回りはスリムになった。まるで徹底的に贅肉をそぎ落としたストイックな格闘家のような見事な体型だ。昔のどっしりしたレトロ感はないが、人間により近い造形になったといえる。これはこれでとてもかっこいいデザインだ。

メカ感を高める要素

HG マジンガーZ INFINITY Ver.は前述のようにウエストが細くなったが、ジェットスクランダーも例外ではない。この飛行ユニットもよりスリムに、そしてよりシャープになり、多くのモールドが追加されている。

その詳細なパネルラインと研究された形状の翼は人工的な雰囲気を強く醸し出し、全身のゴーレム感とともにマジンガーZ INFINITY Ver.のメカ感を高める要素のひとつだ。

ホバーパイルダー

マジンガーZは前述のジェットスクランダーによって全身を飛ばすことができるが、さらに分離型の飛行ユニットも搭載している。それがホバーパイルダーだ。

パイルダーオン

このホバーパイルダーは飛行機とマジンガーZの操縦席を兼ねる。マジンガーZを動かすときにはパイロットである兜甲児がホバーパイルダーに乗り込み、マジンガーZの頭部にパイルダーオン! ドッキングしてマジンガーZを操縦することが可能になるのだ。

両翼の折りたたみギミック

ホバーパイルダーには両翼の折りたたみギミックも搭載。パイルダーオン時にはウイングをコンパクトに収納することでマジンガーZの頭部に接続できる。ホバーパイルダーは小さいユニットながら可動ギミックを備えていて、再現性がとても高い部分だ。

腕を使った必殺技

ロケットパンチ、ドリルミサイル、アイアンカッター・・・マジンガーZは腕を使った必殺技が多彩。様々なポーズや分離芸によってバラエティに富んだ必殺技を繰り出す。

肘断面部分のディテール

マジンガーZはその豊富な必殺技発動時やポージング時に肘関節部分を露出することが多い。そのためHGのINFINITY Ver.では、頻繁に着脱されて露出度が高いこの肘断面部分のディテールが凝っている。

断面はまるでオレンジを輪切りにした断面のような見た目をしており、しっかりと凹凸があってロボらしい立体感。やはり目に触れる場面が多い断面のメカっぽさが高められているのはとても魅力的だ。

ドリルミサイル

ドリルミサイル発射!

マジンガーZは肘関節のパーツを差し替えることでドリルミサイルという必殺技を再現することが可能。ドリルミサイルは肘に内蔵されている設定のドリルミサイルを発射する火力技だ。

ドリルミサイル専用の差し替えパーツの特殊な形状や可動範囲を活かして肘を大きく曲げ、肘の断面を露出。このポーズをとることで、肘に内蔵されたドリルミサイル発射時の開放状態になる。腕を折って肘を突き出すダイナミックな必殺技のひとつだ。

オレンジの輪切り

なお、ドリルミサイル用の差し替えパーツも通常時の肘と同じ断面。オレンジの輪切りによるジューシーさとロボ感のある形状をしている。

ハンドパーツ

HG マジンガーZ INFINITY Ver.にはハンドパーツが3種類付属。握り手および拳、指を伸ばした貫手、指が軽く曲がっている握手だ。

アイアンカッター

アイアンカッター!

マジンガーZのプラモではブレードによって敵を攻撃するアイアンカッターという必殺技がある。

近接攻撃手段

拳を貫手に差し替え、前腕の一部パーツを取り外して銀色のブレードとなるアイアンカッターパーツを挿入。手の平を上にして腕をまっすぐに伸ばせば、両刃のアイアンカッターを繰り出せる。遠距離攻撃である先述のドリルミサイルとは異なる、切れ味抜群の近接攻撃手段だ。

ロケットパンチ

ロケットパンチ!

マジンガーZといえばロケットパンチ、ロケットパンチといえばマジンガーZというくらい決め技の中で最も代表的なロケットパンチももちろん再現できる。

ディスプレイベース

本体から取り外した前腕を付属のロケットパンチ用ディスプレイベースに固定することで宙に浮いた分離状態を表現。角度調節が可能なディスプレイアームにより、切り離された腕が飛んでいく様子をマジンガーZのポーズに合わせて表現できるのが魅力だ。

ロケット噴射炎のエフェクトパーツ

さらに発射された腕にロケット噴射炎のエフェクトパーツを取り付けられるため、より躍動感と華やかさのあるロケットパンチを実現可能。このエフェクトパーツはやや小振りで劇中と比較すると迫力不足な感はあるものの、赤い炎が腕にプラスされるだけでロケットパンチは格段にかっこよくなる。

ブレストファイアーを放て! 赤いクリアパーツのディテールも細かい

赤いパーツ

HG マジンガーZ INFINITY Ver.には、印象的な赤いパーツが胸部に取り付けられている。赤いパーツの部分は劇中では透明との想定を元にしたクリアパーツ仕様。しかもパーツの裏側にトンボの目のように繊細なディテールが施されており、ただ透明なだけでなく情報量が多くてとても美しい仕上がりだ。その複雑な造形は以前レビューした仮面ライダーブラックのマルチアイを連想させる。

レストファイヤー

ブレストファイヤー!

前述の赤いパーツはブレストファイヤーという必殺技の時に活躍。ブレストファイヤーはマジンガーZの両腕を上げて力こぶを見せつけるようなポーズをとることで、胸の赤い部分から摂氏3万度にもなる超強力熱線を放射する必殺技だ。

超強力熱線

HG マジンガーZ INFINITY Ver.のブレストファイヤーにはロケットパンチの噴射炎のようなエフェクトパーツが付属しないが、キラキラするような赤いパーツからはマジンガーZ最大級の破壊力を持つという超強力熱線が出そうな雰囲気満点である。

INFINITY Ver.のマジンガーZの足は膝下が太く長く、太ももはそれと対照的に細く短い。モデルもびっくりのこの極端にも思える抜群のスタイルにより、マジンガーZの人間離れしたというかそれこそメカニカル感がさらに高まっている印象を受ける。ロボットならではのゴツゴツ感、そして独特のバランスだ。

足の可動範囲

マジンガーZのプラモはタイトなスカートパーツやサイドスカートに囲まれていることから、足の可動範囲は狭いように見える。しかし実際はそうではない。

股関節部分は引き出し式

マジンガーZの股関節部分は引き出し式になっており、サイドスカートからの干渉を回避。

かなりの可動域

引き出しギミックによってマジンガーZはスカートパーツの影響を受けずにかなりの可動域を得ることが可能だ。

アクションスタンド

HG マジンガーZ INFINITY Ver.にはロケットパンチ用のディスプレイベースだけでなく、本体用のアクションスタンドも付属。最近主流の挿し込み式ではなく、クリップするタイプのスタンドになる。このスタンドを活用すれば、立たせる以外にも後述のように飛行ポーズをとることも可能だ。

ジェットスクランダーも! HG マジンガーZ INFINITY Ver.で飛行シーンの再現

ジェットスクランダーが付属

HG マジンガーZ INFINITY Ver.には先述のようにジェットスクランダーが付属する。

マジンガーZの飛行用装備

ジェットスクランダーはマジンガーZの飛行用装備で着脱式。主翼と垂直尾翼、エンジン二基などを備える。

彫り込まれたパネルライン

ジェットスクランダーの各部には細かいモールドを中心に張り巡らされ、場所によっては太いモールドが施されるなど情報量が豊富。特に薄い主翼に彫り込まれたパネルラインはジェットスクランダーの鋭利さとメカらしさを高めることに貢献している。

飛行ポーズが可能

HG マジンガーZ INFINITY Ver.はジェットスクランダーの装着とアクションベースのジョイントを差し替えることで飛行ポーズが可能。

水平に飛行

アクションベースの先端をグレーのパーツから幅広のクリアパーツに差し替え、そこにマジンガーZの腹部を乗せる。そうすることでマジンガーZが地上に水平に飛行している様子を表現可能だ。

安定感

腹部を乗せただけのマジンガーZは一見すると不安定に見える。でも本当のところはかなりの安定感を備えていて、飛行ポーズをグラつきなくディスプレイ可。

ジェットスクランダーの薄さ

飛行シーンを真横から見ればジェットスクランダーの薄さに驚くことができるし、

噴射口や足裏のモールド

後方からはジェットスクランダーの噴射口や足裏のモールドといった直立時には鑑賞しにくい場所も見ることが可能。

ジェットスクランダーの壮大さ

そして上から眺めればジェットスクランダーの壮大さをより一層確認することもできるだろう。

黄色いパーツ

なお、マジンガーZの飛行形態を楽しむ際には腹部のパーツも差し替える必要がある。腹部の銀色のパーツを外して黄色いシックスパッドを取り付ける要領だ。この黄色いパーツはプラモにおいて飛行の要。多少面倒ではあるがしっかり装着しよう。

HG 1/144 マジンガーZ INFINITY Ver.の総評

HG マジンガーZ INFINITY Ver.の総評

HG マジンガーZ INFINITY Ver.は、初代マジンガーZの滑らかな装甲とは一線を画す筋肉の割れ目のようなゴツゴツ感が特徴。昔のマジンガーZとは異なるタイプのたくましさに溢れていてとても魅力的な要素だ。

さらに必殺技のギミックやそれに必要なパーツも揃っていて再現性も高く、特に胸部の赤いパーツは美しい。ジェットスクランダーの迫力と豪華さも最高だ。各部のディテールによって高められたメカニカル感とともに、マジンガーZの新たな魅力を引き出したプラモといえる。

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